すべての医療機関でマイナ保険証対応の開始

関連記事→ マイナカードが保険証として使えます!!…

厚生労働省により、保険診療を取扱う全ての医療機関に義務付けた「マイナ保険証」対応の全国本格運用が2023年4月1日からスタートします。
（当院では事前に新たな機器を導入するなどで2月に対応完了済みです。)
保険証利用者にとってはマイナンバーカードを保険証代わりにどの医療機関でも利用できるということになります。

そして来年2024年秋以降は、今迄の紙やプラスチック製の保険証の発行が廃止され、マイナンバーカードを保険証として利用する（マイナ保険証）一本化の方向で進めている様です。
（スマホにも順次マイナ機能搭載可能予定:Android端末は5月11から、ios端末は調整中とのこと）

今後、2，3年後にはほぼ全ての医療機関でほとんどの患者が保険証としてマイナンバーカードやスマホが利用される事となるでしょう。

補足説明

※ 運用義務開始日は4月1日ですが、一部医療機関において導入機器の納期遅れ等の正当な理由により一定期間の導入運用遅延猶予が厚生労働省より許可されております。また、廃業予定や高齢などを理由に導入免除されている医療機関も存在しますので当初は一部の医療機関においてマイナ保険証には対応できない医療機関があります。

元々は国が押し進めるマイナンバーカードを全国民に持たせたい！ところから始まっております。しかしながら、なかなか思う様に普及しない為、健康保険証との一体化を打ち出し、後には運転免許機能の一体化やいろいろな行政サービスも容易にさせるといった計画がなされています。
このような国の政策打ち出しにも関わらず、国民は行政不信や情報漏洩に強い抵抗感があり、なかなかマイナンバーカードには後ろ向きの様です。
一方、世界を見てみると先進諸国では当たり前のように国民IDカードが普及している傾向にあります。
いろいろなことをスピーディーで合理的にさせたいと思えば当然の流れなのかも知れません。

実際の医療機関でのながれ

具体的には、医療機関の受付などに設置してある「顔認証付きカードリーダー（マイナ受付機）」を利用して厚労省管理下のデータセンターに専用回線で接続し、保険証の有効性や保険(証)情報を当該医療機関にフィードバックさせるといった流れになります。

更に詳しく説明すれば、
「顔認証付きカードリーダー」に顔写真付きのマイナンバーカードを置き、カメラ照合またはパスワード照合して本人と確認された後、始めて専用回線でデータセンターに接続され、マイナカード内の電子証明書(暗号キー)を使って保険(証)情報のフィードバックを当該医療機関に提供する流れとなります。
また同時に「顔認証付きカードリーダー」操作時に尋ねられる本人同意事項に基づき、診療/薬剤情報や特定検診情報なども医療機関に提供する事が可能とされています。

注意事項

📌厚生労働省はこの保険証確認を「マイナ受付」と称してステッカーやポスターで広報・周知しておりますが、医療機関での「診療の受付はできません」のでご注意ください。
「マイナ受付」＝「本人確認と保険(証)情報の提出」で「診療受付」とはなりません。

📌医療機関での診療受付は「マイナ受付」とは別に、
今まで通り診察券を診察券ボックスに入れるなどして下さい。

📌更に、市区町村で発行される医療費助成福祉医療証もマイナ保険証情報にはデータ収録されておりませんので別途提出の必要がございます。
市区両村で発行された医療費助成福祉医療証（子ども医療証、ひとり親家庭医療証、障害者医療証、福祉給付金資格者証）をお持ちの方は診察券と一緒に提出する必要がございます。

システム障害時の懸念事項

今後、紙やプラスチック製保険証がどんどん廃止されて行きます。保険証としてマイナンバーカードのみの対応になった場合、マイナンバーカードのロックや破損、紛失などで一時的に治療費の全額自己負担を強いられる機会が増えることとなりそうです。

中でも一番懸念される事項に、長時間にわたるシステム障害や停電、機器の障害や故障時などです。
全てがオンライン回線を通して保険証資格情報を確認しているシステムであるため、資格確認ができない状態となります。
その際、患者には一切の責任が無いにも関わらず、治療費の一旦全額負担を強いらなければならない事態が発生してしまうという事です。
特に、初めてその病院や診療所に行った方でシステム障害や機器の故障等に遭遇した場合、治療費は一旦全額自己負担の該当となりますのでご承知おき下さい。（システム機関へ 2023.03.27 に問い合せ → 2023.04.07 返答確認済み）