保険証の確認、なぜ?

2023年03月06日 掲載

保険証って、なぜ毎月1回とか提示が必要なの?

本来から申し上げれば、保険証は利用する毎に提示が必要です。
クーポン券がなければクーポン割引が適用されない。
運転免許証がなければ運転ができないのと同じです。

一般の方では有効な保険証を医療機関に提示することによって3割の自己負担で治療が受けられます。
そして残りの7割分はその保険証番号等の情報を基に健康保険(診療報酬支払)機関より受診した医療機関に後日支払われます。
また、高齢者や子供、ひとり親家庭、障害者等によっては2割負担、1割負担、0割負担(無料)もあり、
同じく自己負担割合や医療費助成制度により、診療報酬支払機関や市区町村より医療機関に保険診療分の医療費が支払われます。

では、なぜ今のような保険証の提示方式なったのでしょうか?

話は昭和の時代に遡ります。
健康保険証は一世帯に1枚の発行でした。(紙素材のはがきサイズ)
そして裏面に家族の氏名が連名で記載されていて、
家族が共有してその一枚を利用するといったものでした。
なので、物理的に保険証の家族同時利用(別々の医療機関受診)ができなかったのです。

例えばお父さんがその日、会社の帰りに病院へ行くと言った場合には、
朝から晩までは父親が保険証を持っているので他の家族は保険証が利用できないということです。
なので、家族に「明日病院行くから保険証使いたい!!」と宣言してから利用するという事が一般的でした。

ですから、国も保険診療報酬支払機関もそれらの状況に対応すべく、月1回の保険証提示でOKという事になったのだと思われます。
そして時代も変わり平成中期にやっと健康保険証は一人に1枚の時代になりました。

ですが結構長い間、1世帯に1枚の健康保険証状態が続いたので、システムも人も そう簡単には保険証を毎回提示するといった感覚や習慣は身に付きません。国もまた、そう指導してきませんでした。
中には、月1回の提示すらしたがらない方もいらっしゃいます。

「本来、保険証は毎回提示が原則」であるということを、ここで再認識して頂ければと思います。

以上のことから、最近の医療機関では月1度の保険証提示ではなく毎回保険証提示を求めている医療機関も僅かながらに増えてきているようです。

そして、
今後始まるマイナンバーカードを使った保険証提示(マイナ受付)は毎回受診時に行わなければなりません(確認済み)。
次期マイナ保険証利用の時期に備え、是非ご承知おきください。

その他:国への要望

マイナ受付は来院の度に毎回行う事が基本です。
とは言ってもなかなか国民に浸透はしません。患者にとって毎回行う事は以外と面倒なようですし、この記事を書いている私もそう思っています。
もし毎回行う必要があるのであれば、電車改札の様に「ピッ‼」とできるもにするべきであったと思いますし、またそうしていれば国民にも早々と浸透して行ったのではないかと思います。
おそらく、このマイナ受付のシステムは保険証利用の度に(本人確認)他人が使用しない様、毎回 顔認証やパスワードでチェックする操作を必要とした為、簡単に「ピッ‼」とできるシステムにはできなかったのでしょう。

それでも、どうにかしてみんなの負担を軽減させ、もっと効率的で生産性の高いものにできないだろうか?

やはり、保険証確認は月1回が効率的で妥当だと思われます。

もし、全国民の健康保険が例外無くひと月単位(毎月1日から月末日)での更新や契約(月の途中では保険証が変わらないシステム)になっていれば、本当の意味で毎月1回の保険証提示で良いという事になります。
医療機関での保険証確認作業も月1回以上行う必要がなくなり負担は大きく改善されます。患者にとっても月一回の保険証提示であれば違和感を抱くこともないでしょう。
更には、月途中で変更された保険証の為に頻発するレセプト等に関する問い合わせや返戻、再請求、再審査、それに伴う各機関を行き来する文書のやり取り等々、双方で費やしている余計な業務を大幅に縮小させ、
あちらこちらで負担軽減がなされることでしょう。ひいて国民一人一人の生産性向上や税金の節約にもつながる事と考えます。

しかしながら現状、退職や引越し、後期高齢保険適用などで月途中に保険証が変わる方がいらっしゃる事から、結局は毎回全ての来院患者の保険証確認の必要性が生じてしまいます。

そういった点で、国には月の途中で保険証が変わらないような制度変更(契約,更新,支払い等)を強くお願いしたいところです。
日本全国の至る所で行われる保険証の提示や確認、問い合わせ、機関を含めた返戻・書類作成作業等々、一日に一体どれ程の労働や経費・税金の無駄があるのか計り知れません。
保険証を完全月単位にすることだけで医療機関のみならず、患者や保険機関、国にも大変に大きな恩恵を享受させることが容易と考えます。
是非、実現させて欲しいものです。


患者様におかれましても、上記の様に保険制度を理解した上での保険証利用およびご協力をお願いいたします。

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